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日本と韓国のレンタカー文化の違いとは?韓国人向けサービス展開のポイント

2025.4.17
日本と韓国のレンタカー文化の違いとは?韓国人向けサービス展開のポイント

近年、海外旅行の増加に伴い、観光客のレンタカー利用が急増しています。

特に、日本と韓国はお互いに人気の旅行先であり、韓国人観光客による日本でのレンタカー需要も年々高まっています。

しかし、日本と韓国ではレンタカー文化やビジネスモデルに大きな違いがあるため、韓国人向けにレンタカー事業を展開する際には、それぞれの市場特性や韓国人利用者のニーズを正しく理解することが重要です。

今回の記事では、日本と韓国のレンタカー文化の違いをわかりやすく解説し、韓国人向けサービスを展開したい企業に役立つポイントや注意点をまとめてご紹介します。

日本と韓国のレンタカー文化の違い(利用習慣・販売制度の違い)

台湾人観光客をターゲットにしたOTAサイト活用術

予約・利用の流れの違い

日本では、レンタカーは「クラス販売」が基本で、事前予約が一般的です。また、異なる営業所で返却できる「乗り捨てシステム」も普及しています。

「クラス販売」とは?

「クラス販売」とは、車種を特定せずに「コンパクトカー」「ミニバン」「SUV」など、車両のサイズやタイプによって分類されたクラス(車両のタイプ別分類)単位で予約・貸出を行う方式です。
利用者はそのクラス内のいずれかの車両を利用することになります。

一方、韓国では、「車種販売」が中心で、当日予約や短時間レンタルのニーズが高く、柔軟な利用が特徴です。

予約はOTAサイトよりもレンタカー会社の自社ホームページを通じて行われることが多く、日本のような乗り捨てシステムはほとんどありません。

「車種販売」とは?

「車種販売」とは、特定のメーカー・モデル(例:トヨタのプリウス、ホンダのN-BOXなど)を指定して予約・貸出を行う方式です。利用者は予約したその車種が確実に提供されるのが基本となります。

店舗での対応ポイント

利用者が予約時に特定の車種(例:トヨタのプリウス)を指定することはできず、同じクラス内のいずれかの車両が当日提供されます。

特に韓国人ドライバーは、車種を指定してレンタカーを予約することに慣れているため、日本では“車種指定ではなくクラス販売”であることを分かりやすく表記しておくことが重要です。

訪日韓国人に人気の車種は?

燃費の良いハイブリッド車が人気

韓国では、ガソリン、ディーゼル車、電気自動車が主流です。燃費に対する意識がとても高い傾向にあります。そのため、日本では特にハイブリッド車が人気です。

可愛らしい色やデザインの車

車の見た目も、韓国の若い世代や女性旅行者にとっては大切なポイントです。
パステルカラーや個性的で可愛いデザインの車が好まれる傾向にあります。日本ならではの軽自動車やコンパクトカーのユニークな見た目に惹かれる方も多く、写真映えするという理由で選ばれることもあります。

ゴルフを楽しむ利用者には、トランクの余裕がある車

韓国からの観光客の中には、日本でゴルフを楽しみに来る人も多くいます。
しかし、慣れていない日本の車種を予約する際、多くの韓国の方はトランクにスーツケースが何個積めるのか、ゴルフバッグが入るのかが分からないため、そうした情報を提供することで、自分に合った車種を選ぶことになります。車選びの際に「どれくらいトランクに荷物が入るか」はとても重要なポイントになります。

そんな利用者のために、以下のような工夫がおすすめです。

  • ゴルフバッグが何本入るかを写真付きで紹介
  • 各車種のトランクサイズをわかりやすく画像で説明

「この車ならゴルフバッグだけではなく、スーツケースが〇本入る」といった具体的な情報があれば、利用者も安心して予約できます。

店舗での対応ポイント

韓国人向けにレンタカーを貸し出す際には、韓国で人気のある一部の車種を指定可能にしておくと、予約率や満足度の向上につながる可能性があります。

保険・補償システムの違い

日本のレンタカー販売では、補償オプションが豊富に用意されており、プランによっては事故時に自己負担額が発生することが一般的です。

韓国では、補償内容によっては回数制限なく事故をカバーできるプランもあり、より手厚い補償が提供されるケースもあります。

保険や補償内容、事故発生時の対応方法、そして利用者の自己負担額については、シンプルで直感的にわかりやすくご案内することが非常に大切です。

以下のように情報を一目で理解できるよう整理しておくことで、予約時に利用者からの信頼を得やすくなり、不要な誤解も防ぐことができます。

  • どのような場合に補償が適用されるのか
  • 事故の際に利用者が負担する金額はいくらか
  • 追加オプションを選択することで、どのような補償やメリットが得られるのか

店舗での対応ポイント

日本では「補償」、韓国では「保険」という言葉がよく使われます。
韓国人向けの自動車補償の内容は、わかりやすくまとめておくとスムーズです。

日本のレンタカー業界では、事故やトラブルに備えたサポート内容を「補償」と呼ぶのが一般的です。これは、レンタカー会社が提供する独自の補償制度(例:免責補償制度など)を指すことが多く、保険会社が直接提供する商品ではない場合もあります。
一方、韓国ではこれに相当する内容を「保険(보험)」と表現し、一般的な自動車保険と同様に保険会社を通じて契約されるケースも見られます。そのため、名称は似ていても、制度の構造や契約の相手方に違いがある点に注意が必要です。

返却時のガソリンルールの違い

【日本の場合】

日本では、満タンでの返却が義務付けられており、返却時にはスタッフが燃料メーターを確認します。

もしガソリンが満タンでなかった場合は、レンタカー会社が最寄りのガソリンスタンドの価格を基にガソリン代を再計算し、その金額が請求される仕組みです。

たとえば、返却時にガソリンメーターが8割だった場合、残りの2割分のガソリン代に加えて手数料(数百円〜1,000円程度)が加算されることがあります。

【韓国の場合】

韓国でも満タン返しが一般的ですが、レンタカー会社によっては、貸出時のガソリン量と同じ量にして返却するというルールを採用している場合もあります。

たとえば、貸出時にガソリンが50%入っていた場合は、返却時にもおおよそ50%程度にして返せば問題ないとされています。

※ただし、韓国国内のレンタカー会社でも一部は満タン返却を義務付けている場合があるため、予約時に確認が必要です。

満タンで返却しなかった際には、実際の走行距離に基づいてガソリンの消費量を計算し、その分の料金が請求されるケースが多く見られます。

なお、貸出時と同じ量のガソリンを給油しなかった場合には、ガソリン代に加えて手数料(約1,000円前後)が加算されることがあります。

店舗での対応ポイント

飛行機の時間が迫っている、給油の仕方がわからないなどの理由で、満タン返却ができない場合もあります。
その際のガソリン代と手数料などの請求方法を、事前に決めておくと安心です。

支払い・決済、取り消し約款の違い

日本では、クレジットカード・電子マネー・現金など、多様な支払い方法が利用可能です。
一方、韓国では、クレジットカード決済が主流で、現金払いはほとんど行われていません。

また、キャンセルポリシーも異なり、日本では前日キャンセルに一定の手数料が発生することが一般的ですが、以下レンタカー店舗のように韓国では24時間前までなら無料でキャンセルできるケースもあります。

店舗での対応ポイント

キャンセルポリシーを明確にしておくことが大切です。
また、返却予定時間より前後する場合の対応や料金設定も、事前にしっかり案内しましょう。

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運転文化・ルールの違い

運転する人のイメージ

交通ルールの違い

日本では左側通行、韓国では右側通行が基本です。
この違いにより、韓国から来たドライバーにとって、日本での運転は最初は戸惑うことが多くなります。

具体的には、

  • 運転席の位置が日本では右側、韓国では左側のため、視界や車幅感覚が逆になります。
  • 交差点の右左折時の動きが異なり、特に右折時には注意が必要です。
  • 歩行者の動線や自転車の通行位置も左右逆であるため、事故防止のためには特に意識して見る必要があります。

このような違いから、韓国人観光客や一時滞在者が日本でレンタカーを利用する場合、事前に交通ルールや運転環境についてしっかり案内することが非常に重要です。

運転マナーの違い

運転マナーについては、一時停止やウインカーの使い方に違いがあり、日本では細かいルールが厳格に守られる傾向があります。

一方で、韓国の運転習慣では、よりスピーディーな運転が好まれる傾向があります。

また、クラクションやハザードランプを使って意思表示する場面も多く、コミュニケーション的な運転が一般的です。

そのため、韓国から来たドライバーが日本で運転する際は、「日本では細かなルールが非常に重要である」ということをしっかりと認識してもらうことが、安全運転につながります。

駐車マナーについて

韓国では都市部を中心に駐車スペースが不足しており、縦列駐車(二重駐車)が日常的に行われています。

特にアパート周辺や繁華街では、道路脇にぎっしりと車が並び、他の車の出入りを妨げることも少なくありません。

このような状況では、車の中に電話番号のメモを残す習慣が一般的で、後から駐車した車の持ち主に連絡して移動してもらうケースが多く見受けられます。

日本で起こった実例

実際にあったケースとして、日本の「契約駐車場」にうっかり駐車してしまうことがよくあります。トラブルを防ぐためにも、駐車しないようお願いする形で、画像と一緒に案内すると安心です。

ナビ利用習慣の違い

日本では、車に装着されているカーナビを利用するのが一般的で、電話番号検索機能が広く使われています。

一方、韓国では、スマートフォンのナビアプリ(Googleマップや専用ナビアプリ)を利用することが主流で、Android AutoやApple CarPlayの活用も進んでいます。また、日本と異なり、韓国では電話番号検索ではなく、住所や名称検索が一般的です。

店舗での対応ポイント

韓国人向けのカーナビ案内および設定については、以下の対応がおすすめです。

  • 第1案→スマートフォンのナビアプリとカーナビが連携して使用できる
  • 第2案→車に標準装備されているカーナビが韓国語に対応

上記のどちらも対応していない場合→スマートフォン用のホルダーを用意

有料道路の支払いについて

高速道路や有料道路の支払い方法は両国とも同じく、日本ではETCが一般的で、韓国ではハイパスカードが主流です。

そのため、多くの韓国人は日本でETCの利用を希望しています。

店舗側では、事前にETCカードを準備し、車両にETC車載器を設置しておくことが推奨されます。

店舗での対応ポイント

日本の信号のルールや駐車に関するガイドを事前に用意し、しっかりと案内することが大切です。また、ETCカードの対応も重要なポイントになります。

まとめ

レンタカー利用イメージ

日本と韓国では、レンタカーの利用方法や交通文化、補償制度などに多くの違いがあります。

韓国人向けにサービスを提供する際には、そうした違いをしっかり理解し、現地の利用者目線に立った対応が求められます。

車の予約からナビの使い方、返却ルール、保険・補償の説明、さらには駐車や交通マナーに至るまで、丁寧な案内とわかりやすい情報提供が信頼につながります。

特に韓国語対応やビジュアル(画像や動画など)を活用したガイドブックは、トラブル防止や満足度向上に大きく貢献します。

文化の違いを越えて、安全で快適なレンタカー体験を提供することが、今後のビジネス成功のカギとなるでしょう。

弊社について

株式会社KAFLIX CLOUD

株式会社KAFLIXCLOUD(カフリックスクラウド)といいます。レンタカー業界が抱える人手不足や、アナログ対応による業務過多といった悩み解決を目指すレンタカー予約管理システムを提供しています。
日本全国のレンタカー事業者の皆様と向き合いながら、現場の業務負担軽減に関するお悩みにこれからも耳を傾けつづけます。

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